シニアワンちゃんの食事の見直し
大事な3つの栄養素
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シニア期を迎えたパートナーが特に必要としている栄養は何でしょうか。
大事な3つの栄養素を紹介します。
(1)高品質の動物性タンパク質
肉食動物である犬にとって、肉や魚などの動物性タンパク質を摂ること
はとても重要なことです。
タンパク質の役割として次のようなことがあげられます。
・筋肉、臓器、神経、血管、皮膚、被毛、爪などを構成
・酵素、ホルモンの主成分
・炭水化物や脂質が不足した際のエネルギー源
など
動物性タンパク質は必須アミノ酸(※)を過不足なく含んでいます。
(※)必須アミノ酸は動物の体内で必要量が充分に作れないため、
食事から摂る必要があります。
<おすすめ動物性タンパク質>
◎低カロリーで高タンパク質
・鶏肉(ささ身・むね・もも肉)
・馬肉
・鹿肉
・タラ
◎必須アミノ酸がバランス良く含まれる優秀食材
・鶏卵
◎細胞内の脂肪を燃やす働きをサポートする「カルニチン」が豊富
・ラム(生後1歳半までの羊肉)
・マトン(生後1歳以上の羊肉)カルニチンはラムの2倍を含む。
※カルニチンが体内で代謝してできる物質は、脳細胞を活発にすること
が期待できます。
(2)脂肪
三大栄養素のひとつである脂肪の役割は次のようなことがあげられます。
・エネルギー源
・栄養の吸収を促進
・内臓の保護や体温調節
など
身体に必要なものではありますが、脂肪過多は肥満を招きます。
逆に脂肪が不足すると皮膚被毛の健康状態や免疫力の低下を引き起こし
ます。
シニア期には基礎代謝や運動量が減少するため、低脂肪を心がけましょう。
<おすすめ脂肪>
◎通常の食事では不足しがちな必須脂肪酸
・オメガ3系オイル…(魚油、しそ油〔えごま油〕、亜麻仁油)
◎加熱しても酸化しにくい
・オリーブオイル
◎風味付けや香り付けに。身体を温める効果も期待
・ごま油
◎素早くエネルギーに転換
・ココナッツオイル
(3)抗酸化栄養素
紫外線や化学物質、ストレスなどのほか、普段の呼吸や消化吸収などの
働きでも発生する“活性酸素”。活性酸素は遺伝子を傷つけ、病気・
老化の原因となります。それを除去してくれるのが抗酸化栄養素です。
シニア期には特にその要求が高まってきます。
<おすすめ抗酸化栄養素>
◎カロテンとビタミンEが豊富
・かぼちゃ
◎油で炒めて効率よくビタミンCを吸収
・ブロッコリー
◎抗酸化物質グルタチオンも豊富
・グリーンアスパラガス
◎抗酸化栄養素が豊富なハーブ、スプラウト類
・フラックスシード
・パセリ
・アルファルファ
・ブロッコリースプラウト
・もやし
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ドライフードの選び方
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シニア期を迎えてもタンパク質は必要です。高品質の動物性タンパク質
を使用しているものを選びましょう。
・粗タンパク質……25%程度(タンパク質の摂取制限がない場合)
・低脂肪……………粗脂肪10%程度
・抗酸化栄養素……果物、野菜、ハーブが含まれている
シニアの初期は上述のような低脂肪食がお勧めです。
もっと年齢を重ねたパートナーには、これまでよりも消化吸収しやすい
食事や少量でもしっかり栄養が摂れる食事がよい場合があります。
毎日の便の状態を観察することが大切ですね。
※粗タンパク質のパーセンテージが低くても(25%以下であっても)、
給与量が多い場合は必要量が摂取できていると考えます。
(ホリスティックケアから引用)